オーストラリアは、ニュージーランド産リンゴの輸入規制を変更するように命じた世界貿易機構(WTO)に対して異議の申し立てをしてきたが、今回それが却下された。 
  WTOへの異議の申し立てを検討する団体は声明で、「オーストラリアの胴枯れ病やApple Leafcurling Midgeに対する対策や、一般的な対策には一貫性がない」と指摘し、WTO委員会の当初の決定を支持した。 WTOは以前にも、オーストラリアが1920年代から適用しているニュージーランド産リンゴに対する規制は国際的なルールに違反していると指摘していた。 
  オーストラリアは、1920年代初めに発生した火傷病(Fire Blight)が、オーストラリアの果樹に影響するとして輸入を禁止してきた。 2006年にオーストラリアは輸入条件を付けてニュージーランド産リンゴの輸入を全面的に解禁しが、ニュージーランドのリンゴ生産者は、この輸入条件が大変厳しくてビジネスにならないとして、WTOに提訴していた。 その結果、WTOはニュージーランドのほとんどの言い分を支持し、オーストラリアの検疫対策は世界の貿易ルールに違反していると結論付けた。 
  WTOの植物や人間の健康に関するルールでは、すべての貿易規制は、関係する科学的な根拠とともに、国際的に認識された方法で適正にリスクを評価することが決められている。 
  ニュージーランドのリンゴ業者は、オーストラリアへのリンゴの輸出額が年間3,600万USドル(3,740万豪ドル)になると見積もっている。 (Source: AFP, 30/11/10 "Australia loses NZ apple import appeal")